万代シテイバスセンターの高速バス乗り場前に建つ、屋台のようなお店があります。
それが、おにぎりと大判焼きを売る「寿屋」。
バスセンターの設立と同じ頃から、この場所で40年以上営業しています。
親子3代でずっと通い続けているお客さんもいるのだとか。スタッフの田中聡美さんにお聞きしました。
看板商品のおにぎりは、店員さんがその場で丁寧に握って作っているそう。
「使用するお米は岩船産。お米マイスターの資格を持つ農家の方が丹精込めて作っています。海苔には米に合う有明産のものを使用しています。」
人気の具材は、サケとタラコ。毎朝お店で焼いていて、タラコは半生に仕上げているので、中はふんわりやわらかい。朝は辺りに香ばしい匂いが漂うそうです。
漬物系の具材も見逃せません。昆布の味噌漬けは、味噌に生昆布を漬けたもので、とても美味しいといいます。ご飯に欠かせない、しその実も。
「しその実漬けは若い方だと知らない人も多くて、見せると驚かれたりします。プチプチした食感が良いですよ」
他にも色々な種類があるのでぜひ食べてみて下さい。
頼めばその場ですぐに握りたてのおにぎりも作ってくれます。具材がてっぺんにちょこんと乗っていたり、沢庵のサービスも嬉しいポイント。
実は、おにぎりを包む包装紙にはファンも多く、モチーフは猿蟹合戦。眺めているだけで笑顔になりそうな柄です。
予約で1回につき40個まで対応していますが、防腐剤などの添加物は入れていないので4時間以内に食べるのがおすすめだそう。
冬場によく売れる大判焼きは、栗入りあんこ1種類のみを出しています。
粗めに砕かれた栗が沢山入っていて、甘さも程よくホッとする味わいです。アツアツをほおばれば思わず笑顔に。
店の看板や佇まいは、経てきた歳月が漂っていて趣深く、なんと今だに黒電話を使用しているというのも驚きです。常連さんも多く毎日通って来られる方もいるといいます。
「朝は7時半からと早めの開店。寒い中、朝からやっていると、近隣で働く方が労いの言葉をかけてくれたりしますよ」
道行く人とのやりとりも楽しみのひとつだそう。
田中さん、ひと言メッセージをお願いします。
「一個からでもお気軽に買いに来て下さい」
これからも末永く万代シテイにその灯をともし続けてください。